採用サイト | 東洋エンジニアリング株式会社TOYO ENGINEERING CORPORATION
RECRUITING

ENTRY

CHALLENGERS 02

Introduction

電気自動車や省エネ家電など、幅広いハイテク産業に用いられるレアアースは「カーボンニュートラル」の推進に欠かせない資源だ。しかし、そもそもの産出量が少なく、日本ではその多くを海外からの輸入に頼っており、資源安全保障上の大きな課題とされてきた。そうしたなか、2010年に南鳥島周辺の深海でレアアース泥が発見された。国が主導する「国産レアアース」開発を目指す一大プロジェクトにおいて、海底6,000mからレアアース泥を回収する世界初のシステム開発に挑むことになったのは、TOYOの海洋資源開発チーム。入社1年目から大仕事に挑戦するエンジニアの下田と部長の小松の話から、巨大プロジェクトの最前線を伝えていく。

Challengers
  • ソリューションビジネス本部 ソリューションサービス部
    プロジェクトエンジニア

    下田 健太郎

    2021年入社。地球環境問題というスケールの大きな課題解決に貢献したいと考えるなか、さまざまな種類の資源に関わることができるプラントエンジニアリング業界に着目する。2020年、TOYOのインターンシップに参加し、資源に関する新規事業への取り組みに注力する企業姿勢を体感したことで入社を決意した。

    下田 健太郎
  • ソリューションビジネス本部 ソリューションサービス部
    部長

    小松 洋一

    2007年の入社以来、食糧生産のための肥料プラントや、石油ガス開発に関する調査・研究、顧客の計画立案、新技術開発など、海外案件を中心にさまざまなプロジェクトに参加。2018年から現在のソリューションビジネス本部に所属し、メタンハイドレートやレアアース、コバルトリッチクラストといった国内資源の開発に取り組む。

    小松 洋一

Section 01

日本の未来に希望をもたらす国産レアアース開発。

日本の最東端に位置する南鳥島付近の海底に、高濃度のレアアースを含むレアアース泥が発見されてから数年後、内閣府のプログラムにおいて、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)によるレアアース泥生産プロジェクトにTOYOが従事したのは2019年のことだ。部長の小松は、当時をこう振り返る。「日本は四方を海に囲まれた島国。TOYOはそれまでにも海洋資源に関するプロジェクトの実績が豊富でした。そんな海に眠る国産レアアースを開発することは、社会的使命とTOYOの今後のビジネス展開の両面で大きな意味を持ちます。なんとしてもこのプロジェクトを勝ち取ろうと、本気で挑みましたね」。その言葉どおり力のこもった提案によりライバルに打ち勝ち、プロジェクトへの参加が決まった。
TOYOの海洋資源開発チームの役割は大きく2つある。「どうやってレアアース泥を回収するか」というシステムの機能を考える概念設計と、それに基づいて「どんなシステムにするか」という具体的な構造を考える基本設計・詳細設計だ。大水深6,000mからレアアース泥を回収するのは人類史上初めての試み。石油やガスなどの資源においてもここまで深い海で開発した前例はなく、世界初の技術開発とあって、乗り越えるべき壁は高いものだった。

Section 02

入社3ヶ月目の新人に託された重要ミッション。

誰もつくったことのないシステムをつくる。そこには、参考にできるものが存在しない。小松率いるチームは多様な専門家から構成され、あらゆる技術の可能性を検討し、JAMSTECの知見と合わせて何度もディスカッションを重ねた。
さらに、実際のものづくりを担うシンガポールのモジュール(注:海底に降下させる機器類を1つのユニットにしたもの)メーカーとも意見を交わし、意思決定を行っていった。こうしてプロジェクト開始から丸2年が過ぎた頃、システムの基本設計フェーズが完了。いよいよ実際のものづくりを始めようという段階でプロジェクトに加わったのは、3ヶ月前に入社したばかりの新人エンジニア・下田だった。「広い視野で資源に関わりたいとエンジニアリング会社を志望しました。業界内で複数社のインターンシップに参加するうちに、TOYOは同業他社と比べても特に資源分野の新規事業に力を入れていることを実感したんです」と入社の決め手を語る。
プロジェクトのなかで下田が担当するのは、モジュールを船の上で組み上げるための組立手順とオペレーション方法。「モジュールは非常に大きな機械なので、スペースの兼ね合いでそのまま船に載せることができず、現場で組み上げて使用することになります。船上の制約を考慮しながらモジュールを正しく組み上げる方法や、モジュールをどのように船に積み込むべきかという部分も含めて、下田さんに任せてみようと思いました」と、アサインを決めた小松は語る。

Section 03

多様性あるチームだからこそ、強い。

新人の下田にとって初任務であり、ハードルの高いミッションであることは間違いない。そんな彼を支えるのが7名のチームメンバーだ。部長の小松をはじめとするプラント設計や資源開発領域出身の先輩エンジニアのほか、各分野で豊富な経験を持つシニアメンバーもいる。石油掘削・海洋油田操業設備の運転や機器開発の経験者、金属鉱物資源開発の経験者など、幅広い領域で「その道のプロ」と呼ぶべき造詣の深いメンバーが集まっているのだ。「実際に機器を載せる船に乗った経験を持つメンバーもいて、船のことを教わりながら検討していきました。先輩から拠り所となる根拠は示してもらいつつも、自分の頭でやり方を考えて、それをお客様に分かりやすく伝えることが求められます。さまざまな分野に精通したメンバーの支えがあるからこそ進むことができました」と下田は振り返る。そして、こうした多様性あるチームを形成できるのは、TOYOが時代に合わせていろいろなプロジェクトに挑戦してきたことの証とも言える。小松もこの点が今回のプロジェクトに大きなメリットをもたらしていると語る。「TOYOはEPC以外の仕事にも積極的に取り組んできました。そのおかげで、ほかのエンジニアリング会社と比べ、多様な人材が集まっていることが強みです」。

Section 04

難題に向き合うことでエンジニアは成長する。

モジュールの組み上げは、巨大なパーツを船の上のクレーンで釣り上げて作業するため、さまざまな条件をクリアする必要があった。下田は周囲の知見を借りながらその手順を作り上げ、2021年12月にJAMSTECに向けてプレゼンテーションを行った。「この時のことは特に印象深いです。経験値が少ない分、とにかく入念に準備しましたね。さまざまなバックグラウンドを持つ周囲の方々から吸収した知識を自分のなかで消化して、相手にわかりやすく説明する。そのスキルは、この任務を通じて成長した部分だと感じます」と下田。早い段階で難しい仕事に挑戦できてよかったと語る。小松も、「組立計画は下田さんが一手に担っているので、私も把握しきれない詳細まで管理してくれています。頼れる存在に成長しましたね」と笑顔を見せた。
こうしたレアアース泥生産プロジェクトは今も進行中。2022年中に海域性能試験を予定している。最後に下田は、今後の決意をこう語った。「自分たちがつくりあげたシステムが深い海の底で大仕事を成そうとしていることに、エンジニアとしてワクワクせずにいられません。必ずや成功を収めて、日本と地球の資源問題解決に貢献したいです」。

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前例のない地球の問題にともに挑もう。