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RECRUITING

ENTRY

CHALLENGERS 01

Introduction

地球温暖化が問題となるなか、石油精製や石油化学のプラントは日々莫大なエネルギーを利用するため、常に省エネの進化が求められてきた。とはいえ、プラントは膨大な数の機器の集合体。省エネと一言でいっても無数のアプローチが考えられる。そうした難題に対し、2019年夏、TOYOでは世界初となる独自のプラント最適化サービス「HERO」を発表。しかも、この新サービスの開発者は、プロジェクトのスタート当時入社1年目だったプロセスエンジニアの高瀬。彼がどのような思いで、どのような壁を乗り越え、新サービスを開発したのか。今回は、高瀬とその上司にあたる若林の話をもとにこの前例のない挑戦を振り返る。

Challengers
  • プラントソリューション事業本部 先進技術ビジネス推進部
    プロセスエンジニア

    高瀬 洋志

    2018年入社。大学・大学院時代に現在の上司である若林と出会い、その仕事ぶりや人柄、TOYOの仕事環境に惹かれ、入社を決める。入社後は新規の技術開発やビジネス開発を行う現部署に所属。1年目から前例のないプロジェクトに挑む。

    高瀬 洋志
  • プラントソリューション事業本部 先進技術ビジネス推進部
    部長

    若林 敏祐

    1994年入社。高瀬の上司にあたる。入社以来、エンジニアとして様々なプロジェクトを担当し、現在はTOYOの非EPC事業領域を牽引する存在に。世界初となる省エネ蒸留システム「SUPERHIDIC®」の生みの親。今回のプロジェクトでも常に高瀬を支える。

    若林 敏祐

Section 01

入社1年目の冬。いきなりのチャンス。

「自分自身で新しい技術を生み出し、かつ、その技術が優れていることを証明できる環境で働きたい」。それが、高瀬がTOYOに入社を決めた最大の理由だった。大学、大学院と化学工学を専攻し、プラント設計について学んできた高瀬。とくに、専門分野である数理最適化の知識をいつか仕事で活かすことができればと考えていた。そのチャンスは彼が思っていたよりも相当早く回ってきた。入社1年目の冬。上司である若林からプラント全体の省エネの最適解を導き出す、まったく新しいシステムの開発を依頼されたのだ。高瀬は当時の様子をこう振り返る。「若林さんから話を聞いた時は、数理最適化を応用すれば比較的簡単にできるのではと思っていました。だから、思わず上司に対して“楽勝っすよ”と答えたのですが…。3ヶ月後に自分の吐いたその言葉を呪いましたね」。また、高瀬に依頼した若林に尋ねると、「彼のポテンシャルは入社前から知っていたので、必ずやってくれると全幅の信頼を置いていましたよ」と当時の思いを話してくれた。

Section 02

開発に与えられた期間はわずか6ヶ月。

高瀬が開発することになった新システムは「HERO」と名付けられた。HEROは高瀬の上司である若林が開発した画期的なプラント省エネ蒸留装置「SUPERHIDIC®」を始めとした、様々な省エネルギー化の要素技術を巧く組み合わせて効果を最大化するためのソフトウエア。無数の機器の集合体である巨大プラントのどの部分をどう改修し、どのように要素技術を組み合わせれば全体としての効果が最大になるかを独自のアルゴリズムで計算するというもの。理論上は可能性があるものを全て計算すれば答えは出る。しかし、その組み合わせの数が天文学的な数字だった。たとえば、プラントのほんの一部であるタンク一つをとっても温度や圧力、流量といったいくつもの変数を適切に設定しなければならない。さらに、これらをどう変更していくかといったパターンも掛け合わせると、その組み合わせは無限に近い数となってしまうのだ。しかも、この新システムは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託調査の中で実際に活用することが決定していたため、高瀬に与えられた開発期間は約6ヶ月間。そのちょうど半分となる3ヶ月目に差し掛かった頃が一番しんどかったという。ただ、彼自身はこの挑戦に使命のようなものも感じていた。「数理最適化の天才は世界中にたくさんいます。しかし、同時にプラント設計のノウハウも持っている人間はほとんどいない。であれば、そのノウハウを生かせる環境にいる私がやるしかないと思ったのです」。

Section 03

上司や他部署の先輩の力も借り、HERO完成。

とはいえ、「HERO」の開発は高瀬一人の力だけで完遂できるものではない。プラント設計や各専門分野に関しての豊富な知識と経験も必要となる。だが、その部分は、上司の若林をはじめ、社内外の様々な先輩たちが力を貸してくれた。
とくに、若林の存在は高瀬にとって心強かった。「若林さんは信念を貫く人。何があっても、あきらめない。その姿勢に何度も助けられました」。裁量を与えられ、挑戦する若手。その様子をしっかり見守る経験豊富な上司。TOYOの若手が早い年次からしっかり活躍できるのには確たる理由があった。さらに、高瀬は「TOYOには多種多様なプロフェッショナルがいます。部署や年次に関係なく、相談に乗ってくれたり、アドバイスをしてくれたりする環境も大きいですね」と会社全体の風土についても語ってくれた。そして、先輩たちの力も借りながら、2019年5月、高瀬たちは「HERO」を完成させ、NEDOの実証実験へと歩を進めることができた。その結果、人間の経験値だけでは導き出せない、それでいて「なるほど!」という解を導き出すことに成功したのだ。「うれしかったですね。社会や地球の問題を解決する技術を自分たちの力で生み出す仕事は、そのプロセスすべてがやりがいにあふれていました」と振り返る。実際、このHEROを活用すればプラント全体のエネルギーを最大約4割もカットできるという数字も出た。お客様のコストの面でも、地球環境への負荷の面でも、この新技術の誕生は大きなインパクトを持つものだった。

Section 04

非EPC領域のビジネスのさらなる進化を。

その後、高瀬はHEROの商品化に向けたビジネス開発の段階にもメインの担当者として携わっていく。自分で開発したものを、自分でお客様に届け、自分で改良を加える。こうしたチャンスを若いうちから与えてくれるのも、TOYOで技術者として働く醍醐味なのかもしれない。高瀬自身も「開発だけやっていたら気づくことのできない改良点も多々見えてきました」とそのメリットを語る。さらに、上司である若林も、「彼の成長を見ていると、この先もきっと伸び続けると確信できます。前例がないから、やる。TOYOはEPCビジネスの実績を活かし、今、まさに今回のような非EPC領域のビジネス開発に力を入れているタイミングだということもあり、彼と同じように想像力や創造力を持ち、若いうちから挑戦したい人に入社してほしいですね」と話してくれた。「入社1年目で挑戦した僕もすごいですが、挑戦させた会社もすごいですよね」と笑う高瀬。最後に彼に今後の目標を尋ねると、「世界をあっと驚かせる新技術を一つでも多くつくりたい。そのためには専門知識を磨きながら、周辺の技術やビジネスの知見ももっと蓄えなければと思います。あとは、若林さんのように仲間を巻き込み、率いる力も磨きたいですね」と力強く語ってくれた。

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前例のない地球の問題にともに挑もう。